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◆ Jam&Lewis 初のR&B1位獲得曲 Cheryl Lynn(シェリル・リン)「Encore」(1984) [Hits]

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 Jam&Lewis(ジャム&ルイス)のビルボードR&B or HOT-100での1位獲得曲を紹介していきます。HOT-100(POPチャート)では16曲、R&Bでは25曲あります。まとめてやると大変なんですが1曲ずつだとやれそうです。
 
 プリンスのProduceの元結成されたしたミネアポリスのファンクバンド、The TimeでPlayerとして活動していたジミー・ジャム(キーボード)とテリー・ルイス(ベース)。
(タイムについてはThe Timeのカテゴリーを参照ください
 彼らはバンド活動と平行して1982年からプロデュース活動も始めていきます。バンドだけの稼ぎでは少ないため、アルバイト的な感じでしていたそうです。(プリンスはお金にはシビアなので、ギャラがかなり少なかった模様)ジミーとテリーがProducerチーム、ジャム&ルイスとして初めてチャートで1位を獲得したのは、1984年2月、R&Bチャートでのシェリル・リンの「Encore」です。
 アルバイト的な感じでプロデュース業を始めたと言っても、その中で自分たちの技量も磨いていこう考えていたとも思います。その活動の中で全精力を注いでいたSOSバンドの作品を手がけている時に、天候のアクシデントにより、プリンスの1999ツアーでの前座をつとめていたザ・タイムのライブに行けなくなるという事態がおきるのです。ここからプリンスとの確執を生じ、プリンスからバンド解雇の通達を受けてしまうのです。
 プリンスもファンをとても大切にする人。天候のアクシデントとはいえ、ライブに穴をあけた非はジミーとテリーにあるとは思います。当初、プリンスは女性関係絡みと思っていたようで、逆にそれなら許すつもりだったようなのですが、外部のアーティストのプロデュースが原因と知り激怒したそうです。プリンスが確立しつつあったミネアポリスファンク的な手法がこの2人によって流出することもプリンス自身も快くは思っていなかったようです。(*その後は和解。ジャム&ルイスとプリンスによってミネアポリスはUSA音楽界の発信地となった。そして1991年のタイムの再結成をまとめたのもほかならぬプリンスでした)
 
 バンドを離れる原因となってまでも取組んだSOSバンドの「Just Be Good To Me」(『On The Rise』収録)が1983年6月、R&B2位(1位はとれず)になる大ヒット。


ライズ+4

ライズ+4

  • アーティスト: S.O.S.バンド
  • 出版社/メーカー: SOLID/TABU
  • 発売日: 2013/10/23
  • メディア: CD


 ヒットもさることながら、ドラムマシーンとキーボード等のいわゆる打ち込み系機器を導入して制作したそのサウンドは、シーンにインパクトを与えます。機器を使っても、使い手のセンスでこれほどまでの深いサウンドとグルーブを生み出す事をみせつけます。この『On The Rise』のA面(当時のLPレコード)は、80年代前半のR&Bの傑作品ともいわれています。そして「Just Be Good To Me」を含むA面の3曲を手がけたのが他ならぬジャム&ルイスなのです。ジミーとテリーもこのアルバムで自分たちがチャレンジした手法に自信を持ちます。
 そして同様にその手法のサウンドでこのシェリル・リンの「アンコール」が1984年2月、見事R&B1位を獲得します。シェリル・リン自身もディスコサウンドの定番となっている「Got To Be Real」(HOT100-12位、ミリオンシングル)以来のR&B1位獲得になります。

PREPPIE - EXPANDED EDITION

PREPPIE - EXPANDED EDITION

  • アーティスト: CHERYL LYNN
  • 出版社/メーカー: FUNKY TOWN GROOVE
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: CD

 シェリルは、もともと歌手を目指していたわけではないそうですが、ミュージカル「WIZ」に出演した事をきっかけにTOTOのデヴィッド・ペイチの父親の目にとまり、その縁で業界デビューという幸運に恵まれます。R&Bグループでない白人フージョングループの目に留まったというのが興味深い。彼女は、その後もレイ・パーカーJr、ルーサー・ヴァンドロスなどその時代の旬なプロデューサーとアルバム制作をしていきます。彼女のボーカルもグルーヴィーですばらしい。さらにシェリルは、曲も書いたり曲のプロデュースもする。そして、この「Encore」を含む5thアルバム『Preppie』で当時新鋭プロデューサーとしてのっているジャム&ルイスを起用するのです。
 「アンコール」はオープニングの擬似ライブの演出もにくい。タイトルの「アンコール」は、「あなたの愛は最高 だからまた求めたくなる」というようなリリックとLiveでのアンコール(再演)をかけているリリックもオシャレ。ジャム&ルイスの曲はとてもドラマティックです。アルバム製作においても、曲間に会話をいれたり、ちょっとしたインストを入れたり、そういう演出がすごく洒落てる。のっているジャム&ルイスの勢いを曲に感じます。
 その後、シェリルとは6th『It's Gonna Be Right』でも、ジャム&ルイスと2曲、シングルのFidelityがR&B-25位。タイトル曲の「It's Gonna Be Right」は「Got Be Real」に寄せた気持ちのよい1曲。The Timeの同僚で当時ジャム&ルイスのプロダクション、フライトタイムに所属していたモンテ・モアも1曲てがけています。

It's Gonna Be Right

It's Gonna Be Right

  • アーティスト: Cheryl Lynn
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2015/09/18
  • メディア: CD

 この後、シェリルはレコード会社を移籍し、Vergin レコードでの1989年作8th「Whatever It Takes」を発表。ここでもこれまたThe Timeのミネアポリス一派のジェシー・ジョンソンがメインで手がけています。

Whatever It Takes

Whatever It Takes

  • アーティスト: Lynn, Cheryl
  • 出版社/メーカー: Atlantic
  • 発売日: 1989/09/12
  • メディア: CD

 さらに1995年の9th『GOOD TIME』ではあのTeddy Rileyが5曲をProduce! 
いきのいいBeatをきかせています。Teddy作品としても好きです。

グッド・タイム

グッド・タイム

  • アーティスト: シェリル・リン
  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
  • 発売日: 1995/12/06
  • メディア: CD
 
 当時、38歳のシェリルですがすごくエネルギッシュでソリッドな1枚。さらに代表曲「Got Be Real」も「Got Be Real 95」として蘇ります。この曲はTeddy Proではないですが、New Jack SwingのBeat感です。
 シェリルの魅力とジャム&ルイスの曲をまとめて入手するのはアマゾン等でも簡単に手に入るベスト盤がよいのではないかと思います。(すいません、けっこう値上がりしてました)
 

The Best Of [1995 Sony Records Japan - 1st Edition CD] by Cheryl Lynn (1995-07-28)

The Best Of [1995 Sony Records Japan - 1st Edition CD] by Cheryl Lynn (1995-07-28)

  • アーティスト: Cheryl Lynn
  • 出版社/メーカー: Sony Records [Japan]
  • メディア: CD

 1984年は、ジャム&ルイスが初めてR&Bチャートで1位を獲得した年となりますが、この年、他にもチェンジの『Change of Heart』、シェレール『Fragile』、The SOS Band『Just The Way You Like』という超力作3枚を作り出しています。
 シェレールのアルバムからは「Turn You On」がR&Bで8位につけますが、後にロバート・パーマーがシックのバーナード・エドワーズProduceでカバー。この時はHot100で2位になっています。(この曲カバーするなんて渋すぎ!ミネアポリスFunkとシックSOUNDの融合が素晴らしい)チェンジのJam&Lewis全面製作のアルバムも、ジャムルイファンならずとも必聴です。

 翌1985年は1位獲得曲はありませんが、Force MD's、Alexander O'neal、シェレールなどこれまた質の高い仕事をしています。次に彼らが1位を獲得するのが、1986年のジャネット・ジャクソンです。ついにR&BだけでなくPOPチャートでも1位を獲得するのです。


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