◆ Mo’ Money(OST)ジャム&ルイスのリーダー作とも言えるような傑作アルバム 豪華アーティストも集う [サントラ、コンピレーション]
original 2010.5.13Upに追記
先日、ジャム&ルイスの初リーダー作が発売されるというアナウンスがされました。ジャムルイによるアルバムは、2013年にも30周年記念という事で発表されるという話もありましたが、立ち消えて今回の確定的な発表となりました。
R&Bプロデューサーでありながら、現在の音楽シーンにおいてビルボードNo1獲得曲数は16曲(数年前まで現役No1でしたがマックス・マーティンに抜かれた)。ミリオンシングルやアルバムも多数。グラミーの最優秀プロデューサーのノミネーションも多数。(1986年度に受賞)そのフィールドもR&Bに限らず多岐にわたる。
テクノロジーの進化とともに、TR-808(ドラム・マシーン)やヤマハDX-7(シンセサイザー)、サンプリングキーボードのMirage(ミラージュ)等を駆使しサウンドを作り上げるスタイルはジャム&ルイスにより確立されたと言っても過言ではないと思います。彼らが手がけたアーティストのシングルの完成度ももちろん高いですが、アーティストとじっくり話し合って決めたコンセプトに基づきアルバムを制作するProduce Workが素晴らしい。そして何より彼らの書く曲が素晴らしい。
先日、ジャム&ルイスの初リーダー作が発売されるというアナウンスがされました。ジャムルイによるアルバムは、2013年にも30周年記念という事で発表されるという話もありましたが、立ち消えて今回の確定的な発表となりました。
R&Bプロデューサーでありながら、現在の音楽シーンにおいてビルボードNo1獲得曲数は16曲(数年前まで現役No1でしたがマックス・マーティンに抜かれた)。ミリオンシングルやアルバムも多数。グラミーの最優秀プロデューサーのノミネーションも多数。(1986年度に受賞)そのフィールドもR&Bに限らず多岐にわたる。
テクノロジーの進化とともに、TR-808(ドラム・マシーン)やヤマハDX-7(シンセサイザー)、サンプリングキーボードのMirage(ミラージュ)等を駆使しサウンドを作り上げるスタイルはジャム&ルイスにより確立されたと言っても過言ではないと思います。彼らが手がけたアーティストのシングルの完成度ももちろん高いですが、アーティストとじっくり話し合って決めたコンセプトに基づきアルバムを制作するProduce Workが素晴らしい。そして何より彼らの書く曲が素晴らしい。
2000年代に入って、単発の作品が多く、正直なところ、全盛期の勢いもなくなってきて、トータル感をもったアルバムはグラミーも受賞したチャカ・カーンの『Funk This』くらいですが、ジャネットの一連のアルバム、特に80年代から90年代前半の作品はすばらしいトータル感のあるアルバムでした。この辺のProduce力は他の追随を許さないと思います。
1990年代に入りジャム&ルイスは、自らのレーベルを設立します。その名もPerspective Records!未来に目が向いたレーベルです。そんな彼らが1992年に発表した作品が今回紹介する『Mo Money』。
このアルバムは、ジャム&ルイスのProduceの幅の拡さにもうなるのですが、ブラック・ミュージックの楽しさも存分に満喫できる1枚なのです。来年発表される作品にはどんなアーティストが参加し、どのようなSOUNDが展開されるか超楽しみですが、この1992年のアルバムは、言ってみれば映画を題材にしつつも、ジャネットをはじめとするビックアーティスト、そしてPerspectiveレコード所属の実力あるアーティストが総登場し、当時の衝撃度は凄かった。まだこんなすごいアルバム作っちゃうのあなた達は!って感じで。このアルバムは、ジャム&ルイスのProduce能力のすごさを知るのにも適した1枚です。彼らの、アーティストの個性を曲に反映させる手法は見事としかいいようがない。まさにサントラのようにテーマをもった作品を制作するのは彼らには最適ではないでしょうか。
1990年代に入りジャム&ルイスは、自らのレーベルを設立します。その名もPerspective Records!未来に目が向いたレーベルです。そんな彼らが1992年に発表した作品が今回紹介する『Mo Money』。
このアルバムは、ジャム&ルイスのProduceの幅の拡さにもうなるのですが、ブラック・ミュージックの楽しさも存分に満喫できる1枚なのです。来年発表される作品にはどんなアーティストが参加し、どのようなSOUNDが展開されるか超楽しみですが、この1992年のアルバムは、言ってみれば映画を題材にしつつも、ジャネットをはじめとするビックアーティスト、そしてPerspectiveレコード所属の実力あるアーティストが総登場し、当時の衝撃度は凄かった。まだこんなすごいアルバム作っちゃうのあなた達は!って感じで。このアルバムは、ジャム&ルイスのProduce能力のすごさを知るのにも適した1枚です。彼らの、アーティストの個性を曲に反映させる手法は見事としかいいようがない。まさにサントラのようにテーマをもった作品を制作するのは彼らには最適ではないでしょうか。
この作品はタイトル通り“Money”をテーマにアルバムを作り上げています。映画も当時レンタルして見ましたが、これらの素晴らしい楽曲は前に出すぎることはなく、ある意味BGM的で効果的に使われていました。普段あまり見る事がなかったBlack Movieでしたが、内容も満足するものでした。リリックもテーマに沿っています。
最初、金、金、金の主人公が、“この世界で一番素晴らしいものを得るのにお金は要らない”事に気づいていきます。おれも基本“お金で愛は買えない”派です。楽して得た金はすぐにどっかにいく。お金はありすぎても人を幸福にはしない、と思っています。なさすぎるのも大変だけど、適度(の基準も人それぞれでしょうが)なのが一番。
個性的で才能あるアーティストを招集しつつも、テーマとシーンにあった曲とアーティストを見事に結びつけているのです。
1曲目からノリノリのPartyチューン。Mo Money ALL STARSということで、主役のデイモン・ウェイアンズをはじめ、このアルバムに参加しているジョニー・ギルやPerspectiveのアーティストたちがこのGrooveを盛り上げる。ボーカルと、この頃流行りまくっていたサンプリング音も何重にも重なり隠し味もいっぱい。ラルフも参加してる?ジェームス・ブラウンは参加していませんが、サンプリングの声でこのGrooveを一層盛り上げる。
このアルバムからは知っている限りでは4枚シングルヒットがでていますが、最大のヒットが、ジャム&ルイスにとってはお馴染みジャネット・ジャクソンとルーサー・ヴァンドロスのデュオ「The Best Things In Life are Free」。
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ルーサーとジャム&ルイスの初顔合わせ。こういうNew Jack Swing系の曲でルーサーとからむとは想定外だけど、実質のオープニングテーマにピッタリの爽やかなHip Hop Groove系の1曲。この曲にはさらに、ジャム&ルイスを師と仰ぐNEWEDITIONから、ラルフ・トレスヴァントと大ブレイクしたBBD(ベル・ビヴ・デヴォー)も参加!いい感じのラップをかましていてさらによい仕上がりとなっています。チャートもR&Bで1位(Hot100でも10位となります)
そして、NEWEDITIONのリーダー、ラルフ・トレスヴァントの「Money Can’t Buy You Love」もR&B2位。ジャム&ルイスは、1990年にニューエディションから最後のソロデビューとなったラルフに「Sensetivity」(R&B-1位、HOT100-4位)という彼のパーソナリティーを見事に反映させた佳曲を生み出していますが、この「Money Can't」も素晴らしいです。レジのチーンっていう音をアクセントに使っているのもこってる。ラルフのちょっとワイルドなラッピンとヒューマンチックなメロディーの融合もいい。私もめちゃ好きな曲。
1991年のデビューアルバムから大ブレイク。(I Wanna Sex You Up大好き)当時、白人グループでありながらもそのコーラスワークの見事さで人気を博したカラー・ミー・バッドは「Forever Love」を歌う。R&B20位(Hot100-15位)。このアルバムで、個人的に一番驚いたのがCMBの参加でした。曲自体は、ボチボチなのですが、このグループの魅力を十二分に引き出すProduce work。曲は普通でもコーラスワークの素晴らしさをめちゃくちゃ堪能できます。夕陽をバックにしたBGMにもあうような1曲。ジャム&ルイスはこの後、彼らの2ndアルバム『Time And Change』にも参加します。
SOULⅡSOULのリードボーカルだった、キャロン・ウィラーを招いた「I Adore You」はR&B12位。これまた彼女のボーカルの質にあうCoolなグランドビート「Keep On Moovin'」も匂わせる英国っぽい音。ジャム&ルイスってこういうヒット曲に寄せるのもめちゃうまかったりする。RemixもはいったこのCDSはけっこうレア。
個人的に好きなのは、女性ラッパーの先駆者的存在でもあるMC Lyteの「Ice Cream Dream」。当時、ジャム&ルイス作としては初めて聞くRapもんでした。(過去にIce Tの曲がありますが)バックで演奏している今や幻の存在のThe Flowもいい感じ。後のジャネットの全米1位「That’s The Way Love Goes」でも演奏している彼らの隠し味といっしょ。イントロのSweetさがまずいい。そしてライトの攻めるラッピン。メロディー部分はリサ・キース(Perspective所属)によるクールなVocal。
ジャム&ルイスのRap系作品は少ないですが、この曲は彼らが手がけたRap曲としてはBest3に入る曲だと思います。R&BでのチャートInは確認できなかったのですが、当時のラップチャートではInした模様。シングルは発売されており、当時新鋭のJermeine DupriによるRemixも収録されており、けっこうレアです。
以上『Mo' Money』からは5枚のCDSが出ていますが、すべて持っている人はけっこうレアかと思います。
シングル以外では、ジョニー・ギルの「Let’s Just Run Away」も好き。ジャム&ルイスの愛弟子のLo-Key?(Perspective所属)のLance AlexanderとProf.TがメインでProduce。このチームも、この後、自身のグループと外部プロデュースでその手腕を発揮していきます。ジョニーのDeepなVocalとともにやの中をさまよっている様なDeepなサウンドとの融合が絶妙。
その他、Perspectiveの所属アーティストのお披露目も忘れません。ジャム&ルイスは、実力あるミュージシャン魂を持っているアーティストをこのレーベルに迎入れています。まずCrush。LA’FACEのTLCに対抗すべくJam&Lewisが見出したガールズグループ。「Let’s Get Together」ではJimmy JamのファンキーなオルガンPlayも楽しめる。32連打も衝撃。一応Rap系ですが、ボーカルワークもよくてアルバムの中でも上位のFav曲。でも結局、このグループはデビューせず、代わりなのかDrama(ドラマ)っていう3人組がデビューしちゃった。
Perapective第1弾アーティストとして既にデビューしていたゴスペルグループ、SOUNDS OF BLACKNESS、そして第2弾のストークリー率いる超実力派バンドのミント・コンディションもそれぞれの個性を発揮している。
Hip Hopの先駆者的な存在のひとりBig Daddy Kaneを招いているのもジャム&ルイスらしい。Lo-Key?も参加した「A Job Ain’t But Work」は玄人好みの1曲。ジャム&ルイスは絡んでいないパブリック・エネミーの曲だけはスルーです。
もうひとつの注目は、アーティストとしてJam&LewisがPlayしてるインスト曲があります。私が知る限り、現段階でジャム&ルイス名義の曲はこれしか知りません。タイトルが「The New Style」ですからね。かなりの気合を感じます。TeddyがNew Jack Swing というスタイルを生んだように、彼らもこのリズム・アレンジメントを次の主流として提示したかったのでしょうか。といってもNJSの影響をすごく感じる楽曲ですが。
さらにこの曲にインスパイアーされて曲を作った才能が日本にもいます。今はグループとしては休止中ですが、3人組Hip Hop/R&BユニットSOUL’d OUT(ソウルドアウト)のサウンドの要TrackMaster:Shinnosuke(シンノスケ)です。
このアルバムで「Master's Groove2」というインスト曲が収録されていますが、ジャム&ルイスの「New Style」を受けて作り上げているのが感じれます。
アルバムの最後は、The Harlem Yacht Club(←よく知らない)によるハードなナンバー。メインProduceはThe Timeの同僚、ジェリビーン・ジョンソン。ドラムは、Mint Conditionのストークリー。ジミーはキーボード。タイムを彷彿させる生演奏でせまる。
LAFACEも大好き私ですが。サウンド、CreativeさからいえばJam&Lewisの圧勝でした。がセールス的には、『ブーメラン』からBoysⅡMenの「End Of The Road」というNo1メガヒット曲とPM DAWNの「I'd Die Without You」もHOT-100で3位になったりし、LA’FACEに軍配があがった感じです。以前Blogでも気合入れて、LA&BABYFACEの特集をしたおれですが、やはり本命はJam&Lewisなのです。
『Mo' Money』当時のインパクトは相当でした。多数のアーティストが参加しているクレジットを見ただけでワクワクした。ジャム&ルイスも80年代のミネアポリスファンク的なものから脱却しPerspectiveで新しいスタイルにチャレンジしたのも感じれる意欲作でした。
1998年にも『How Stella Got Her Groove Back』(ステラが恋に落ちて)というこれまたジャム&ルイスのリーダー作のようなサントラを制作していて、『Mo Money』以上の豪華なアーティストも参加している。ここではスティヴィー・ワンダーとも初めて絡むことになります。ですがやっぱ私は『Mo Money』が好きだな~。なんだかカラフルで、たくさん楽しめるって感じ。そんなわけでJam&Lewisのリーダー作のような『Mo Money』でした。2021年の彼らのアルバムも超楽しみです。
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