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◆ 宇多田ヒカルとジャム&ルイス  [JAPANESE & ASIA]

                           ORIGINAL 2010.9.29 Up
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ビルボードNo1ヒットを16曲生み出しているジャム&ルイスですが、彼らはなんとJapaneseを代表するアーティスト・宇多田ヒカルちゃんを手がけ日本のオリコンで1位、そしてミリオンセールスを記録しています。
 それが1999
年11月リリースの「Addicted To You」です。宇多田ヒカルといえば、98年の「Automatic」(大好き!)でデビュー、そして1stアルバムは800万枚を売上げ(おれも持ってる)、国内アルバム歴代1位の記録を今も維持しています。国内で800万枚はすごいね。
 
First Love

First Love

  • アーティスト: 宇多田ヒカル
  • 出版社/メーカー: EMI Records Japan
  • 発売日: 1999/03/10
  • メディア: CD

 デビューアルバムの衝撃が一段落し、次作が注目される中、発表されたのがJimmy Jam & Terry Lewis がProduceした「Addicted To You」でした。


  
 
 Jam&Lewis Freakとして、1986年くらいから彼らの作品を追い続けてるおれとしては、これはほんと驚いた。まさかジャム&ルイスが日本のアーティストを手がけるなんて想像もしなかった。(でも予期しない事がおきるって素敵だけど)
 

 
 あのトッププロデューサー、超多忙のジャム&ルイスですよ。彼らにプロデュースしてもらいたいっていうアーティストはUSAでもたくさんいる。(契約料は高額だろうけど)
 これまでとりあげたNo1ヒット曲シリーズでも、一番にあがるジャネット・ジャクソン、そしてボーイズⅡメン、マライア・キャリー。他にもジャム&ルイスが手がけた著名なアーティストといえば、マイケル・ジャクソン、メアリー・J・ブライジ、ジョージ・マイケル、スティーヴィー・ワンダー、ライオネル・リッチー、ビヨンセ、Usher、TLC、ポップフィールドでは、エルトン・ジョン、スティングもいるわけですよ。そのそうそうたる顔ぶれの中に宇多田ヒカルちゃんも仲間入りするのです。
 
 どういう経緯でこのプロジェクトが始まったのかは知りませんが、宇多田光ちゃんはジャム&ルイスと出会うことになります。彼女も多分、ミネアポリスのジャム&ルイスの所有するFlyte Tyme(フライトタイム)スタジオに赴いてレコーディングしたと思うんですが。当時16歳ですよね。なんかの記事で、ジャム&ルイスのことを“おっさん”呼ばわりしてて「若さっていいな」って思いました。

 日本でもこの「Addicted To You」は宇多田の4thシングルとしてリリースされるわけですが、クレジットのJimmy Jam & Terry Lewisを見てどれだけの人がピンときたか。ほとんどの人は、外人さんのProduceって感じだったと思います。クレジットはジャム&ルイスですが、実質は腹心のAlex Richbourg(アレックス・リッチバーグ)が腕をふるってる印象はもちます。
 
 ただこの曲がジャム&ルイスらしさがでてるかといえばちょっと微妙なとこもあります。正直、彼らのオリジナリティーはあまり感じない。この曲の最大の売りのリズムアレンジメントは、当時シーンを席巻してたTimbalandのチキチキビート。宇多田もあえて「チキチキ、チキチキ」って言ってますし。それに加えて、ロドニー・ジャーキンスがブランディー&モニカでしてる「The Boy Is Mine」のクリスタルメロディーのエッセンスを加えた感じ。言ってみればUSAの旬な音をとりいれた感じなんです。でも相当凝ったサウンドであるけど。隠し味がいっぱい。コンポーザーとしても、ジャム&ルイスのクレジットはなく宇多田単独のライティング。それがJAPANESE POPしてるので、あまり洋楽っぽい感じがうすく、そこはJapaneseリスナーにも抵抗なくうけいれられたのでは。もともとせつな系の良い曲だと思います。特にジャム&ルイスが手を加えなくともビックヒットしたと思います。

 実際、ジャム&ルイスがてがけて彼らしい音を感じたのは、クリスタル・ケイちゃんの「Kirakuni」。近年ジャム&ルイスは日本を含めアジア系のアーティストをけっこう手がけてるんですよね。(また近日まとめて紹介します)
 
 「Addicted To You」はもうひとつUnderwater Mixというバージョンもありますが、こっちの方がジャム&ルイスっぽい。でもクレジットみるとちがうんですよね。ギターのリフのとこがジャネットのメガヒット曲「That’s The Way Love Goes」とかぶる。
 
 さらにジャム&ルイスとの絡みは、5thシングル「Wait & See」でも続きます。

Wait&See~リスク~
宇多田ヒカル,宇多田ヒカル,テリー・ルイス,テリー・ルイス,河野圭,河野圭,バート・ハワード,ジミー・ジャム,ジミー・ジャム,Goto Yuichiro strings,Akiyama Hironori,デイブ・バリー
EMIミュージック・ジャパン

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 この曲も、オリコン1位の、ミリオンセールス。この曲もR&B色はうすくロックTaste。この曲も宇多田のライティング。
 ジャム&ルイスがこういうTasteで手がけるのは珍しく、1990年にてがけたKlymaxx(クライマックス)の「She’s A User」(『The Max Is The Back』収録)を思いだしました。ジャム&ルイスとしてはめずらしく曲は書かず、サウンドProduceのみ。

Maxx Is Back

Maxx Is Back

  • アーティスト: Klymaxx
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 1990/04/25
  • メディア: CD
 
 ジャム&ルイスが宇多田の楽曲をいかしこういう感じで仕上げた気がします。宇多田も英語ができるから直にいろいろやりとりできたのは彼女の財産でしょうね。

 さらに驚いたのが、2000年の宇多田のツアーで、ジャム&ルイスが来日しステージにあがりパフォーマンスまでみせます。彼らがこの日本でパフォーマンスをするというのは初めてだと思います千葉マリンスタジアムでのステージは下記のDiskに収録。

宇多田ヒカル BOHEMIAN SUMMER 2000 [DVD]

宇多田ヒカル BOHEMIAN SUMMER 2000 [DVD]

  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: DVD

 1988年、
Tabu NightsというLiveイベントでタブーレーベル所属のアレクサンダー・オニール、SOSバンドらと来日予定だった彼らですが、急遽流れました。ジャム&ルイスがスタジオを出てステージでパフォーマンスをするなんてThe Timeとジャネットのときくらい。ジャム&ルイスも宇多田のキャラを相当気に入った感じです。そのライブはもちろん見れてませんが、ジャム&ルイスの生パフォーマンスみたかったな~。見てる人たちは、なんだこのノリノリのおっさん2人はと思ったことでしょうが。

 宇多田がUSA進出の時、ジャム&ルイスがアルバムプロデュースするのかと期待したのですが、ビックネームとしてはティンバランドが3曲参加。あとはほぼセルフプロデュースで勝負。
 
EXODUS

EXODUS

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2004/09/08
  • メディア: CD

 そのサウンドはR&B色はうすくロック(とも言い切れない)よりで、意外な方向性でUSAに進出したな~と驚きました。結果的には、USAでも日本でもUTADA名義だとメガヒットしていませんが、すごいCreativeなアルバムで、おれなんかこっちの方のアルバムの完成度に宇多田の凄さを感じてしまいます。
 
 この後、ジャム&ルイスは日本のアーティストをけっこう手がけていきます。2004年ZOEY(ゾーイ)←ほとんど知らない。2007年、JYONGRI(ジョンリ) ← 韓国系のアーティストかと思ったら日本人みたい。クリスタル・ケイちゃんは、2006年と2009年、2作連続ジャム&ルイスが参加というのもすごい。
 2014年には、ぜんぜんフィールドがちがう印象のワールドクラスの凄腕ギタリストのMIYAVI、さらに最近では2018年、紅白から遠ざかった和田アキ子。EXILEの SHOKICHI(ショウキチ)とのDUO SONGを手がけます。これは宇多田以上の衝撃でしたが。
 解散しましたが3人組のユニットSOUL'd OUTのTrackmaster Shinnosukeもジャム&ルイスを敬愛する。彼らがProduce業をしていくのに確信をもったSOS Bandの「Just To Be Good To Me」をカバーメイクしたり、彼らのヒット曲「Flyty Tyme」(わかる人にはわかる)はジャム&ルイスのスタジオ名という。
 また以前まとめていたのを整備して再Upしていきたいと思います。


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