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◆ Let's Wait AWhile( 急がせないで)ジャネット・ジャクソン『Control』からのR&B-No1 バラード曲 多くのティーンの共感も得た名Slow [Janet Jackson]

                          ORIGINAL 2008.7.26Upに加筆
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 1987年に入り、『コントロール』から5枚目のシングルがきられます。3月にR&Bで1位、Hot100でも2位というビックヒットです(1位は、クラブ・ヌーヴォの「Lean On Me」でした)。アルバムにはエンディングに2曲のSlowが収録されていますが、5枚目のシングルがバラード曲となります。そして、またまたビックヒットをします。邦題は「急がせないで」。

 ちょっと待ってみましょう もうちょっと時間をかけましょうよ
 強い愛なら壊れたりしないわ 少し様子を見ましょうよ 
 深みにはまる込む その前に 
 約束するわ 私は待つ価値のある女よ


 18歳のとき、かけおち同然の結婚、離婚という経験をしたジャネット。相手は、ジャクソンファミリーと同じような音楽一家のデバージ・ファミリーのジェームズ・デバージ。2人の結婚生活は長く続かなかった。

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 姉ラトーヤの出版した『Inside Jackson Family』にも、ジャネットが夫のジェームズの奇行(ドラッグによる?)に苦悩しつつも彼を支えようとするエピソードが書かれている。2人は本当に愛し合っていたが、別れることになる。(この時の2人の間にできた娘がいるというのはずっと話題になってるが真実はいかに??)


 ライターにジャネット自身の名前も連ねており、そのような体験も詞に込めたのかなと思っていました。今回、あらためて「Let's Wait Awhile」を振り返ったとき、Jam&Lewisの他にもう一人、Melanie Andrews(メラニー・アンドリュース)という女性ライターがいて、彼女がこの曲のキーパーソンであることを知りました。メラニーとジャネットは交友関係があるみたい。
 ジェームス・ハリスⅢことジミー・ジャムと、テリー・ルイスが曲を作り
、リリックをメラニー・アンドリュースとジャネットが書いたと思われます。

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 曲のベースは、ジャネットの実体験というより、メラニーの実体験に基づいて、ジャネットがインスパイアーされた感じ。曲のテーマは、男女の性的な関係性をテーマにしていると。Wikiによると、米国の一部の学校では、男女の付き合いに関しての性的禁欲の教えのツールとしてこの楽曲を使用するところもあったと。当初、私がイメージしていた曲のイメージとちがうな。

 まぁ、おっさん、おばさん向けの曲ではないっぽい。ティーンの男女には、この曲の切ないメロディーラインにのってこのリリックが深く心に染みこんだにちがいない。若い頃、好きな子とセックスしたいから付き合いたいとは思わなかった。(そういう人もいるかもしれないけど。それを別に悪とも思わないけど)一緒の時間を共有し、お互いを知り、さらに愛情を深めた先にメイク・ラブがあるのだと。

 ジャネットも自信の体験とメラニーの思いが重なったのかもしれない。そして、この曲は多くの若者の共感を得た曲ではないでしょうか。それがさらなるジャネット支持と『Control』のセールスにも貢献したと思われる。
 
 2001年、MTVでジャネットのトリビュート番組(Icon)がありました。様々なアーティストがジャネットのヒット曲を歌った。そのなかで、ディステニー・チャイルドがこの「急がせないで」を歌いました。ケリー、ミシェルのボーカルも素晴らしいけど、やはりビヨンセの熱唱がすごく印象的だった。ビヨンセも、当時、つきあっていたジェイZのことを思って歌っていたのかな。
 私は待つ価値のある女よ と歌っているも、どちらかといえば早く結婚したいビヨンセに対して、なかなか決断できなかったJay-Z(←こんなすてきな女性に何をためらうんだ?って感じだけど)という構図が浮かぶのだけど。
 同様にジャネットのシチュエーションを考えるのだけど、「急がせないで」と歌ってはいるも、早く結婚したかったのはジャネットの方だったのではないのかな?と個人的には思う。今回のアルバム『Control』のテーマは、自身の自立をテーマにしていた。父親からの支配を抜け出し、ジャクソン兄弟姉妹の一人ではなく、ジャネット・ジャクソンである事を主張した。自立、独立するためには結婚という方法は早い手段。そうはいっても、ジェームズとの間に愛もあったと思う。ただそんなに恋愛経験が豊富ではなさそうなジャネット、すぐに恋におちたのかもしれない。
 
 さらにこのバラード曲のアンサーソングが『Rhythm Nation』に収められていると。それが「Someday Is Tonight」。『RN』もすばらしいDance曲、Funk曲がヒットしたけど、アルバム終盤はバラード3曲で締められる。

Rhythm Nation 1814

Rhythm Nation 1814

  • アーティスト: Jackson, Janet
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1989/08/24
  • メディア: CD

 ジャム&ルイスが得意とする雨の効果音から最初のバラード「Lonely」が始まり、シングルにもなったストリングスの美しさも際立つ「Come Back To Me」。そして、また雨の効果音の中、Deepな「Someday Is Tonight」が始まる。

 強い愛なら壊れたりしないわ 少し様子を見ましょうよ 
 深みにはまる込む その前に 
 約束するわ 私は待つ価値のある女よ

 そう「Let's Wait Awhile」で歌ったジャネット。そして、やっと結ばれる夜がくる。
 
 とても長いつきあいになった私たち
 そして あなたの愛は揺るぎないことがわかったわ
 もう悩む必要はないわ
 今夜 あなたと私は結ばれる

 約束したわね
 私には待つだけの価値があるって
 もう待つ必要はないわ ためらわないで
 あなたが望むなら 私はあなたのもの
 やっと結ばれるときがきた
   
 この「Let's Wait AWhile」をかみしめて、Deepな「Someday Is Tonight」を聞くと、よりこの世界観に魅了されます。ハーブ・アルバートのトランペットもセクシーさとDeepさをさらに演出する。

 シングルは、リリース時にRemixされ、メリハリをつけたり、軽いドラム音も加えたりして、メロディーもより際立った仕上がり。

Control: the Remixes

Control: the Remixes

  • アーティスト: Jackson, Janet
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: CD

 ジャム&ルイスによる切ないメロディーラインもすばらしい。ただこの曲はWikiにもあがっているように盗作疑惑がおこっています。
 それがフォークロックバンド、アメリカ(1973年のグラミー、最優秀新人賞も受賞)の1975年のヒット「Daisy Jane」(邦題:ひなぎくのジェーン)との類似。この盗作疑惑、オリジナル曲も知らないのもあって当時はまったく知りませんでした。かなり後になって知りました。オリジナルを聞きましたが、サビはぜんぜん違うと思うけど、出だしはたしかに似てると思いました。
 ジャム&ルイスもアメリカをFavアーティストとしてあげており、2001年のジャネットのヒットシングル「Someone To Call My Lover」では、これまた彼らのヒット曲「ヴェンチュラ・ハイウェイ」をこの時はサンプリングという形で引用している(後、サティのジム・ノベティーをミックス)。
 「Someone ---」の際は、きちんとサンプリングクレジットがあるも「Let's Wait  AWhile」は、いわゆる盗作疑惑ですから。実際、アメリカ側は、ジャム&ルイスサイドに抗議したようですが、訴訟にはならず和解した所をみると、ジミーたちも非を認め、お詫びといくらかの金銭も支払ったのかもしれない。

 Music Videoも制作されます。監督はドミニク・セナ。ニューヨークを舞台にし、2人の恋の行方をモノトーン映像で描いている。

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 このSlow「Let's Wait Awhile」のヒットは、単なるヒットだけではなく、Slowでさらにすばらしくなるジャネットのボーカルをシーンに知らしめ、ジャネットのアーティスト性も高めたと思います。ダンスアーティストだけではないジャネットがシーンにうけいれられます。
 『Control』はこれでシングルカットされた5曲がすべてTop5に入るという記録もうみます。さらに1位~5位が重複せずにチャートインするというおもしろい記録も生みます。

 What Have You Done For Me Lately    4位
 Nasty                   3位
 When I Think Of You                         1位
 Control                                            5位
 Let's Wait Awhile            2位

 当初、レコード会社も、ジャネット自身もアルバムからここまでのヒット曲が出るとは思わなかったのではないでしょうか。しかし、『Control』からはさらにもう1枚、R&B-No1シングルが生み出されるのです。
 

Control

Control

  • アーティスト: Jackson, Janet
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

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