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◆ Tender Love Sweetバラードの歌い手フォースMD’Sによるジャム&ルイス、初のTop10ヒット曲。 [Hits]

                                 ORIGINAL2012.9.18
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 NEWEDITIONのとこでもちょこっととりあげましたが黒人ボーカルグループ、フォースMD'Sの「Tender Love」は、1986年3月、ビルボードHOT-100で10位のSweetバラード曲ですが、私にとっていろいろな意味で思い出深い曲ですし、27年経った今でも色あせる事のないバラード曲です。

テンダー・ラヴ

テンダー・ラヴ

  • アーティスト: フォースM.D.’S
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1986/04/21
  • メディア: CD
 
 彼らの2ndアルバム『CHILLIN'』に収録されている。
当時のBlack系のアルバムジャケってこんな感じなのが多くて、彼らもまだ垢抜けてない感じ。
 
 84年に『スリラー』でMJに出会い、その年はマイケルばかり聞いた1年でした。85年から、ヒットチャートを軸にFMや洋楽TV番組で洋楽を聞くようになります。そんな中、地方在住の私にとって『ベストヒットUSA』は、黄金の80'Sと呼ばれる時代にいいタイミングではまったとはいえ、神番組でした。紹介される曲もPOP、ROCK、R&Bと偏ってないのもよかった。ほんといろいろな曲を吸収しました。そしてその中で、このフォースMD'Sの「Tender Love」も紹介されます。当時、PVではなく、あちらの人気SOUL番組『SOUL TRAIN』で歌っている(多分口パク)映像でした。

 イントロのエレクトリックピアノの優しいメロディーラインから引き込まれます。そして、リードボーカルのT.C.D(アントワーヌ・ランディ)の繊細な歌声が絡み、しばらくしてバックボーカルとの掛け合いも。テンプテーションズ等から続く伝統的なボーカルグループの振り付けにも魅了された。これが黒人のSOULなボーカルなんだな~、これがグループボーカルの魅力なんだと魅了されます。


 この「Tender Love」は、85年に制作されたBLACK MOVIE『クラッシュ・グルーブ』(Krush Groove)に収録された曲。

クラッシュ・グルーヴ

クラッシュ・グルーヴ

  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1991/04/10
  • メディア: CD
 
 この『クラッシュ・グルーブ』はブラック系サントラとしても注目すべき作品。Street色溢れるというか、当時ではまだアングラ的なHip Hop Tasteのサントラです。それもそのはず、この映画はHip Hopカルチャーの最重要人物の一人、ラッセル・シモンズを題材にした作品だからです。映画やサントラには、RUN.DMC、LL・クール・J、ビースティ・ボーイズ、ファット・ボーイズ等、80'Sから活躍するHip Hopアーティストが多数参加。彼らの活躍なくして90年代中盤以降に爆発するHip Hop Musicはなかったといってもいいくらい。プリンスとは深いつながりがあってもラッセルとは関係ないシーラEも、映画の中で実名で出演しているというちょっとよくわからない映画ですが、Blackのかっこいい空気が漂う。 シーラの「Holly Rock」(もちろんPrince作)も収録されているのも貴重です。

 そのサントラに提供されたのが「Tender Love」でした。作品の中の愛のテーマ的な感じ。BMRのインタビュー記事で見ましたが、最初は、ForceMD'Sの2nd『CHILLIN'』のエンディングバラード「Walking On Air」が収録予定だったそうのですが、製作会社からのOKが出ず、急きょ、スタッフがミネアポリスの注目株、ジミー・ジャム&テリー・ルイスに依頼し、フォースMD'Sのメンバーもミネアポリスに赴いてレコーディングして出来上がった曲らしい。
 
ジャム&ルイスがその辺のお話と2人で歌も披露!これは貴重!!4分あたりからジミーの伴奏が始まります。照れるテリーがいい!!

https://youtu.be/WqzqEBfZQIM

 それまでジャム&ルイスは、1984年、シェリル・リンの「Encore」でR&Bで1位も獲得し、SOSバンド、アレクサンダー・オニール等R&Bチャートではヒットを飛ばしていましたが、Hot-100いわゆるポップチャートではまだ認知されていなかった。
 そんな彼らにとっても記念すべき、初のビルボードTop10入りの曲となるのです。86年は、ジャム&ルイスの最初の大ブレイク年で、ジャネット・ジャクソンの『コントロール』のメガヒットやヒューマン・リーグの「Human」は全米1位にもなります。そしてグラミーの最優秀Producerの栄冠にも輝くわけです。その後のヒットの口火を切ったのがこの「Tender Love」といってもいいかもしれません。

 
 当時は、Producer聞きという通な聞き方はしていなかったので、とにかくこの優しく切ないメロディーとフォースMD'Sのボーカルワークに魅了されます。切ないメロディーラインというのはよくありますが、優しくて切ないとなるとありそうでない。ジャム&ルイスのライターとしての素晴らしさも感じる。

 その後、これまた『ベストヒットUSA』でマイケルの妹ジャネットが紹介されます。おれの中では、アーノルド坊やは人気者にも出ていた女の子って感じのジャネットでしたが、「What Have You Done For Me Lately」(恋するティーンエイジャー)のMVを見てそのソリッドなSOUNDに魅了されます。その後「Nasty」「Control」にもはまりアルバムも購入、それらを制作していたJimmy Jam & Terry Lewisのクレジットに目が行きます。
 さらに全米No1ソング「Human」にもはまります。「Human」は80'Sを代表するバラード曲だと思う。私の中でジャム&ルイスというProducerが完全にインプットされるわけです。そして、超お気に入りの「Tender Love」もジャム&ルイス製作だったというのを後で知るわけです。

 「Tender Love」はけっこうカバーされています。アンクル・サムというSOULな男性ボーカリストがダウンロー的なアレンジでソウルに歌う。Jaheim(ジャヒーム)もKaygeeのProduceで「Have You Ever」という曲でサンプリング。
 最近、アリシア・キーズもLiveで取り上げていた。やはりピアノの音色で聞くこのバラードがいい。

Alicia Keys - Tender Love (Stripped) https://youtu.be/o0aY3_lN19s

 「Tender Love」から離れて、フォース・MD'Sに焦点をあてると、魅力的なボーカルグループです。私、R&B好きといっていますが、意外とすごく好きなボーカルグループって少ない。ボーイズ2メンも、彼らよりJam&LewisやBabyfaceという視点で聞いてたし、NEWEDITIONも正統派ボーカルグループって感じではない。カラー・ミー・バッドは好きかな。Soloも好き。こうしてみると、実はフォースMD'Sが一番好きな黒人グループだったかも。
 彼らも同世代のNEWEDITIONをライバル視している感じで、この曲によって(彼らよりも先に)大人のグループになる事ができたと言っています。でもそのニューエディションをこれまた大人のグループへと変貌させたのもジャム&ルイスなのですが。
 そんな彼らのデビューアルバムは85年『Love Letters』
 
Love Letters
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Collectables

 最近、ついにCD化されます。このアルバムからは、「Tesrs」というSweetバラードがR&B5位に。他3曲のヒットも生まれます。実は1st持ってないので(今回の紹介で購入予定)アルバムについては語れませんが、「Tears」はフォースMD'Sらしいバラード。フォースMD'SのバラードはほんとSweetで切ない。そのカラーは「Tender Love」でさらに高められ、その後にも続いて行く。
 もともと彼らは、Street色の強いコーラスグループで、リードボーカルもT.C.Dとヒップホップっぽいネイミング。彼のスモーキー・ロビンソンのようなファルセットを駆使した繊細なシルキーVocalも魅力的だけどRapのスキルもある。ラップもグループボーカルもできるすごい奴らだったのです。

Chillin
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Collectables

 そして85年の2nd『Chillin』です。「Tender Love」ももちろん収録されています。この曲をCDで聞きたくて、お小遣いをためてCD買ったの思い出します。「Tender Love」はもちろん最高ですが、その他のバラードもSweetです。「Here I Go Again」「Walking On Air」もSweetだけどSOULですごく好き。「Walking On Air」は、バラードですが、Sweetなラッピンもはいる。ボビー・ブラウンのヒット曲「ロニ」のTaste。今では目新しさはありませんが、この感じを、85年に、それも自然な感じでしてる。そいいう意味でも見逃せない曲です。
 アルバムは、ファット・ボーイズとのラップの掛け合いもあったり、「チリン」もStreet的なCoolな曲。彼らの魅力がつまったアルバムです。
 余談ですが、サントラ『Krush Groove』収録の「Tender Love」は通常バージョンとちょっと違って、後半、ボーカルハーモニーは入らずジミー・ジャムのPiano Soloのみになっています。


Touch & Go
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Collectables

 87年に3rd『Touch and Go』を発表。このアルバムから、セカンドボーカリストのJessie.Dが脱退、4人となります。Jessieのボーカルも魅力的だったので残念でした。このアルバムからも「Love Is A House」という透明感バラードがR&Bで1位になります。最初、Jam&Lewisの清涼感Tasteを感じたので、また彼らが関わっているのかと思いましたが、違いました。けど間違いなくジャム&ルイスのバラードを意識している。
 このアルバムのバラードもいいです。「Could't Care Less」「Sweet Dreams」「Your Love Drives Me Crazy」等の超Sweetバラード群が収録されています。ライターは良く知らないのですが、いい曲を集めています。特に「Drives Me Crazy」は、「Tender Love」に次いでお気に入りのバラード。TCDのボーカルが超切ない。
 彼らの人気もなかなかのもので、マドンナのヨーロッパツアーのオープニングアクトも務めたほど。

Step to Me
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Warner Bros / Wea

 90年の4th『Step To Me』。このアルバムは、元々Street感覚が染み込みラッピンもできる彼ら、Rapもまじえ、当時はやりのニュージャック的なSOUNDアプローチをみせます(フルフォースが2曲Pro)。もちろん得意のセンチメンタルバラードもあります。そんな彼らの魅力が全開のアルバムです。TCDのボーカルはUp曲だとちょっと弱いかな。
 ただこのスタイルは、当時だと新しさはなかった。元々こういうスタイルが出来る彼らなのだから、時代の先を行くこの感じを80年代にしてたらもっと高い評価を得ていたかも。ボーカルワークとラップもできるグループってなかったもん。
 ジャム&ルイス的なバラードはこのアルバムにも収録されており、それはタイムの同僚、モンテ・モアが彼らのカラーを引き継いでいます。このアルバムからは残念ながらR&BでもTop10ヒットがありませんがいいアルバムだと思います。

Reunion
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Mad Love

 その後、おじさんとなった彼らのリユニオン作。しかし、ここにはT.C.DとMercuryの2人がいません。まずMercuryは95年に30歳という若さで病死されたそうです。そして、今回初めて知ったのですが、このグループの最大の魅力、リードボーカルのT.C.Dも98年38歳で逝去。オリジナルメンバーは2人のみです。おれの中では、T.C.DあってのフォースMD'Sだった。 アルバムレビューを見ると、フォースらしさは健在みたいで購入したくなりました。
 最後に紹介するのが、「Tender Love」はもちろん上記で紹介したSweet バラードがほぼ収録されたForce MD'Sのベスト盤です。これはお得な1枚だと思う。

For Lovers & Others
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Tommy Boy

 こんなに優しくて切なくてSweetなLoveバラードを歌うグループは知らない。今回の紹介でリユニオン作購入したくなりました。忘れる事のできないグループと「Tender Love」でした。T.C.DとMercuryのご冥福もお祈りいたします。

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